2023年01月18日
京大、高効率なナノアンテナ蛍光体開発に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学 工学研究科の 村井俊介 助教らの研究グループは17日、指向性ある蛍光を放つ「ナノアンテナ蛍光体」の作製に成功したと発表した。

 研究グループは次世代の指向性光源開発に向けて、発光に指向性を与えるナノアンテナの研究を行ってきた。これまでに金属アルミニウムからなるナノアンテナと蛍光体を用い、蛍光強度の増大と指向性の付与に成功している。しかし、アルミニウムが光を吸収するため、使用中に蛍光体の温度が上昇し効率が落ちていた。これは特に高輝度の照明応用の大きなネックとなる。
 
 研究グループは今回、アルミニウムに替えて光吸収の少ない二酸化チタンからなるナノアンテナを作製し、効率を落とすことなく顕著な指向性蛍光を得ることに成功した。
 
 この成果を照明に利用することで、照明をより明るく省エネ化できる。今後さらに研究し、指向性蛍光の一層の増強を目指す。
 同研究成果は国際学術誌「Journal of Materials Chemistry C」(22年12月21日付)にオンライン掲載された。

ニュースリリース
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/research/topics/20230117