2023年01月23日 |
AGC、ガラス溶解にデジタルツイン技術、検証開始 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:AGC |
AGCは23日、ガラス溶解プロセスにおけるデジタルツイン技術として、オンラインシミュレーターと、デジタルプロトタイピングツールを統合した 「CADTANK Online Computation and Optimization Assistant(COCOA)」 を開発したと発表した。23 年 2 月から本格的な運用検証を開始する予定だ。 従来困難だったガラス溶解プロセスの迅速かつ詳細な状態把握や、生産条件の事前検討等を迅速に行うことが可能となる。 フロート窯内部の温度や溶融ガラスの対流は、原料や耐火レンガの状態等、さまざまな要因から日々変化し、生産するガラスの品質に大きな影響を与える。このため最適なオペレーション条件を導出し直す必要が生じるが、この調整に時間を要することやその間の生産量低下という課題があった。 フロート窯内部は約 1,600℃と高温で、内部状態の把握も難しい。同社では 1970 年代に独自開発したガラス溶解プロセスのシミュレーション技術「CADTANK」を活用してきたが、必要なデータの収集などに手間がかかっていた。 これらの課題を解決するため同社は今回、フロート窯のオペレーションデータを用いて自動生成したシミュレーションモデルから、フロート窯内部の温度分布や溶融ガラスの対流等の変化を確認することが可能なシミュレーションツールCOCOA を開発した。 これにより、従来はシミュレーション専任者が時間をかけて行っていたガラス溶解プロセス内部の詳細な状態把握や生産条件の事前検討を、プロセス技術者が手軽に実施することが可能になった。今後はシミュレーション予測に基づいた効率的な生産体制の構築や GHG削減に向けたサステナビリティへの活用を図っていく方針だ。 (用語の解説) ◆ デジタルツイン:現実空間の情報を元にバーチャル空間内に現実空間の環境を再現すること。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1674446487.pdf |