2023年02月08日 |
北大、光機能性ナノワイヤをシリコンウエハに集積 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学 量子集積エレクトロニクス研究センターの石川史太郎教授らの研究グループは8日、シリコン基板全面で高い近赤外域の発光強度と均質性を持つ高機能半導体ナノワイヤの合成に成功したと発表した。 ナノワイヤはその一本一本をレーザーや太陽電池、トランジスタとして機能させることができる。今回、分子線エピタキシーという結晶作製手法で長さ約6ミクロン、直径約250nmのナノワイヤを作製した。 構成元素ガリウムの微細な液滴を用い、圧力や温度といった結晶合成条件を適切にすることで、シリコンウエハ全面に高品質で均質なナノワイヤを大容量で合成できることを発見した。 直径5センチのシリコンウエハ上で、約7億本の微細なナノワイヤを、前処理などを用いず単一の分子線エピタキシー法のみで簡便に形成することができる。 作製したウエハからは良好な発光と効率的な光吸収が得られており、太陽電池の大出力化や、シリコンテクノロジーへの安価で高機能な光機能付加など新しい展開が期待される。 なお、本研究成果は、2023年2月3日公開の「Nanoscale Advances」誌に掲載された。 <用語の解説> ◆エピタキシャル成長 :結晶の構成原子が下地の配列を引き継いで積みあがり大きく形成されていくこと。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230207_pr2.pdf |