2023年02月10日
立命館大、ルテニウム錯体から二酸化炭素還元
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

立命館大学大学院 生命科学研究科の民秋均教授らの研究チームは10日、京都大学および静岡理工科大学と共同で、天然の酸化還元補酵素をモデルとした配位子を有するルテニウム錯体から有機ヒドリドが光照射によって二酸化炭素を触媒的に還元することを初めて確認したと発表した。

再生可能な有機ヒドリドを持つルテニウム錯体が、可視光照射によって二酸化炭素(CO2)を触媒的にギ酸(HCOOH)へと還元できることを明らかにした。

ルテニウム錯体の一電子光還元体を介して、有機ヒドリドが二酸化炭素をギ酸に還元した。
新たな人工光合成系の創製につながると期待できる。

同研究成果は23年1月13日にドイツ科学雑誌「ChemSusChem」のホームページ上に掲載された。
 
<用語の解説>
◆有機ヒドリド :金属ヒドリドと異なり、炭素水素結合から生成されるヒドリドイオン。生体内の酸化還元反
応は、NAD+/NADH の有機ヒドリドによって、副生物を伴うことなく高効率で物質変換を行っている。