2023年02月13日
北大、中性子ビーム使った温度可視化技術開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

北海道大学工学研究院の佐藤博隆准教授らの国際研究グループは13日、中性子ビームを使った新しい温度可視化技術(サーモグラフィ)の開発に成功したと発表した。

温度測定はあらゆる場面で利用されているが、産業製品の閉鎖空間内の物質のさらに内部の温度を非接触かつ非侵襲で測定することはきわめて困難だった。そこで研究グループは、物質透過能力の高い中性子を利用する新しいサーモグラフィ技術の開発を行ってきた。

中性子ビームを利用したサーモグラフィ技術は、粒子加速器を利用した加速器駆動パルス中性子源と、中性子飛行時間分析型イメージング検出器を組み合わせたもので、検出器で得られる測定対象を透過した中性子の分光データから温度を計測するが、今回研究グループは温度に対して大きな変化を起こす中性子非弾性散乱に着目した。

同大学の電子線形加速器駆動パルス中性子ビーム利用施設「HUNS」で、真空チャンバー内に設置された鉄の内部温度を非接触かつ非侵襲で測定した結果、10℃程度の誤差で温度分布画像を取得することに成功した。

同研究成果は1月13日公開の「Scientific Reports」誌にオンライン掲載された。

(詳細)
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230213_pr3.pdf