2023年02月15日
東北大「生物は硫化水素を有効利用して生きている」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学大学院の赤池孝章教授らの研究グループは14日、生体機能を制御する超硫黄分子が、細胞内でどのように産生され、生体制御に関わるかを明らかにしたと発表した。生体制御系における、超硫黄分子の細胞内動態を明らかにした。

毒物として知られる硫化水素は、さまざまな生体機能の制御に関わる「諸刃の剣」であることがわかってきた。これらの生体制御では、硫化水素が種々の形に活性化した「超硫黄分子」がシグナル伝達因子として機能するが、その代謝から制御系への素過程はよくわかっていなかった。

今回、超硫黄分子の代謝酵素を複数同定し、それらが超硫黄分子による生体制御機構に与える影響を明らかにした。超硫黄分子の産生と超硫黄分子に応答したシグナル伝達の新しい関係性を確立した。

本研究の成果は、超硫黄分子が関与する生理機能の疾患に対して、従来にないユニークな治療法の開発へとつながると期待される。
本研究成果は、2月10日にオープンアクセス誌「PNAS Nexus」オンライン速報版に掲載された。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230214_03web_h2s.pdf