2023年02月20日
北大、特別天然記念物・アホウドリ2種は「別種」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

北海道大学総合博物館の江田真毅教授らと山階鳥類研究所の研究グループは16日、国の特別天然記念物・アホウドリの遺伝的解析から、アホウドリ2種の交雑の歴史を解明したと発表した。

アホウドリは、伊豆諸島鳥島の「アホウドリ」と尖閣諸島の「センカクアホウドリ」の2種存在すると考えられている。一方、鳥島の新コロニー(集団繁殖地)では、標識足環のある鳥島生まれの個体と、尖閣諸島生まれの可能性がある標識足環のない個体がつがいを形成しており、両種が交雑している可能性が考えられてきた。

今回の研究では、(1)鳥島の従来コロニー生まれの雛、(2)標識足環のない鳥、及び(3)片親または両親が標識足環のない鳥島の新コロニー生まれの雛、のDNAを解析した。

その結果、鳥島の従来コロニー生まれの雛と、尖閣諸島由来と考えられる標識足環のない鳥とは基本的に異なる遺伝的集団に属し、両者が別種であることがわかった。

また、片親が標識足環のあるつがいから生まれた雛も、いずれかの遺伝的集団に由来する遺伝子を高頻度で持つと推定された。両種は同じ場所で繁殖しても基本的にそれぞれ同じ種の鳥をつがい相手に選ぶため、今後も別種として維持されると考えられる。
なお、本研究成果は2月16日にAvian Conservation and Ecology誌にオンライン公開された。


(発表の詳細)
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230216_pr4.pdf