2023年02月21日
日本触媒、核酸HDO ライセンス契約締結
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:日本触媒

 日本触媒は21日、グループ会社で核酸医療をめざすレナセラピューティクス(本社:東京都千代田区、登利屋 修一社長)との間で、ヘテロ2 本鎖核酸( HDO )の研究用試薬の製造・販売を特許が存在する国で可能とするライセンス契約を締結したと発表した。これにより、国内外の企業並びにアカデミアにHDO の合成販売サービスを開始する。

 レナセラピューティクスは東京医科歯科大学横田隆徳教授と大阪大学小比賀聡教授らが開発したヘテロ2本鎖核酸技術を創薬基盤技術とし、核酸医薬を早期に実用化することを目指して設立された東京医科歯科大学発のベンチャー企業。

 核酸医薬は核酸分子からなる医薬品で、癌や遺伝性疾患などこれまで治療が困難だった様々な疾患に対する新しい医薬品として期待されているが、投与後の血中安定性や副作用などの課題がある。
 レナセラピューティクスの創薬基盤技術であるHDO 技術は、アンチセンス鎖(DNA)と、相補的なキャリアー鎖(RNA)とからなる2 本鎖にDDS機能を発現するリガンド分子を結合させた構造を有しており、薬効成分を疾患部位に選択的に届けることができ、核酸医薬が有するこれらの課題を克服する革新的な技術と期待されている。

 同社は、核酸医薬やペプチド医薬など中分子医薬の原薬製造のための施設を有しており、さまざまなニーズに対応した核酸原薬やペプチド原薬製造を受託できる体制を整えている。今後、中分子医薬品原薬の供給を通じて、人々の生命・健康を支え、社会の発展に貢献していく方針だ。

ニュースリリース
https://www.shokubai.co.jp/ja/news/2023022110168/