2023年02月22日 |
三洋化成など次世代電池開発、防衛装備庁が採択 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:三洋化成 |
ドローンなどの次世代デバイスに期待が集まる中、三洋化成工業は22日、軽量で安全な次世代電池開発のため、ソフトバンクおよびスタートアップ・ベンチャーのORLIB(東京都文京区)、日本ケミコンの4社と、産業技術総合研究所(NEDO)が共同で取り組む研究課題「有機正極二次電池の充放電機構の解明と高エネルギー密度化の研究」が防衛装備庁が公募した「安全保障技術研究推進制度」に係る令和4年度新規採択研究課題に応募し、採用されたと発表した。ソフトバンクを研究代表機関として応募していた。 研究は、現行リチウムイオン電池より大幅に軽量化が可能な有機正極二次電池に着目して、その充放電機構の解明や課題である高サイクル特性と高重量エネルギー密度(Wh/kg)の両立に取り組み、長時間の滞空が可能な無人航空機などへの活用を推進するのが目的。 また、レアメタルを含まない炭素や水素、窒素などの元素で構成された有機正極二次電池の研究を加速し、世界的なレアメタル資源の不足や価格高騰の影響を受けにくい次世代電池の実現を目指す。 ドローンや HAPS(High Altitude Platform Station、成層圏通信プラットフォーム)などの次世代デバイスへの期待が高まる中で、これらの性能を飛躍的に向上させ、重量エネルギー密度が高く軽量で安全な次世代電池の開発が求められている。 有機正極二次電池は、正極活物質に有機材料を用いる点に特徴がある。有機材料は骨格が軽元素で構成され、リチウムイオンの吸蔵能(重量当たりで含有できるリチウム量の多さ)に優れていることから、重量エネルギー密度の大幅な向上が期待されている。また、レアメタルを含まない有機正極の使用により、コスト低減や自国資源でのサプライチェーン安定化などの利点があった。一方で、電極内の活物質割合やサイクル寿命などに課題があった。 今回の研究を通して充放電機構を解明し、重量エネルギー密度 500Wh/kg を超える長寿命有機正極二次電池の開発および早期実用化をめざす。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1677028039.pdf |