2023年02月28日
東北大、糸状菌から新規フラボノイド生合成システム
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

糸状菌のゲノム上には膨大・多様な天然物生合成に関わる遺伝子が存在しており、新しい天然物や生合成システム発見の有望な資源となっている。

東北大学大学院 薬学研究科の浅井禎吾教授の研究グループは27日、糸状菌の遺伝子資源からユニークな天然物や生合成システムを探索する過程で、糸状菌から新たなカルコン合成酵素を発見したと発表した。

加えて、カルコンからフラバノンへの立体選択的な環化を触媒するカルコン異性化酵素も糸状菌から初めて発見した。さらに、これらの成果に基づき、麹菌を宿主としたフラボノイド類の生産プラットフォームを構築した。

これらは、植物とは異なる新たなフラボノイド生合成システムの発見であり、天然物化学分野に一石を投じるものとなる。また本研究で構築した糸状菌を宿主とするフラボノイド生産プラットフォームは、医薬資源としても重要なフラボノイド類の合成生物学研究の基盤になり得るもので、今後の創薬研究の展開も期待される。
同研究の成果は米国科学雑誌「Journal of Natural Products」(2月10日付)にオンライン掲載された。

<用語の解説>
◆フラボノイド : 植物が作る芳香族化合物の主要なグループの一つ。抗ウイルスや抗炎症をはじめとして様々な生物活性が知られている重要な化合物群。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press20230227_01web_system.pdf