2023年03月02日
信越化学、車載向けケーブル用シリコーンゴム開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:信越化学工業

信越化学工業は2日、車載向け高圧ケーブルの被覆材に最適な成形用シリコーンゴム「KE-5641-U」を開発したと発表した。

電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)には、駆動システムの高電圧・大電流化が進み、EV、HEV向けの高圧ケーブルには高い耐電圧特性が求められている。従来の被覆材の場合、絶縁性能を確保するためにケーブルの被覆層を厚くするため、柔軟性が失われるなどの課題があった。一方、自動車メーカーからも柔軟性に優れた高圧ケーブルが求められていた。

今回開発した「KE-5641-U」は、これらの課題の解決に資する成形用シリコーンゴムで、同新製品が持つ高い耐電圧特性により、高圧ケーブルの被覆層を薄くしても絶縁性能を確保できる。

<主な特長>。
(1)業界トップレベルの高い耐電圧特性を実現。絶縁破壊の強さは40kV/mm。(同社従来品は26kV/mm)
(2)シリコーンゴム製のため、耐熱性、耐寒性、耐候性、難燃性などの優れた特性を兼ね備えている。
(3)非シリコーン系の被覆材料と比較して、長期信頼性に優れる。

新製品は、車載以外の産業機械、鉄道設備、エネルギープラントなどに用いられる高圧ケーブルの被覆材にも使用でき、高性能化や信頼性の向上に寄与するとしている。