2023年03月09日
帝人、新たな燃料電池と圧力容器ユニット開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人

 帝人は9日、燃料電池の稼働に必要な機材を一体にした燃料電池ユニットと同ユニットに水素を供給する圧力容器ユニットを開発したと発表した。今後、東急建設と共同で建設工事現場の電源として活用する実証実験を行っていく方針だ。

 燃料電池は、次世代エネルギーとして注目されている水素を使用する発電装置で、軽油・ガソリン発電機と比較して静音性に優れ、CO2などの温室効果ガスを排出せず、臭気なども無いため、さまざまな分野で活用が検討されている。

 こうした中、帝人は英国の Intelligent Energy Limited(IE 社)が開発した燃料電池の代理店として、今後帝人エンジニアリングと共同で開発を進めてきた。

今回開発した燃料電池ユニットと圧力容器ユニットの特徴は以下のとおり。
■燃料電池ユニット
(1)燃料電池ユニットは、燃料電池の稼働に必要な機材を一体にした可搬型の発電システムで、IE 社の新型燃料電池「IE-LIFT 1T」を搭載し、小型・軽量化を実現している。
(2)大容量バッテリーを搭載しているため、機器トラブルや水素ボンベの残量不足などで燃料電池が停止した場合でも定格出力で約 1時間の稼働が可能。
(3)通信端末を内蔵しているため、離れた場所からでも「ボンベの残量」や「稼働状況」などのデータを、携帯端末から確認できる。警報アラームの聞き逃しといったリスクも回避可能となる。

■圧力容器ユニット
 圧力容器ユニットは、水素ボンベを3本搭載できる可搬型の水素燃料供給装置。ボンベには、帝人エンジニアリングの複合材料容器「ウルトレッサ」、素材には炭素繊維を使用しており、耐圧性と軽量性を同時に実現した。
 
ニュースリリース
 https://www.teijin.co.jp/news/2023/03/08/20230308_01.pdf