2023年03月13日 |
東北大、過酸化脂質蓄積と細胞死の仕組み解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学薬学研究科の松沢厚教授らの研究グループは10日、カナダ・トロント大学との国際共同研究により、細胞膜上に存在するメカノセンサー分子やTRPチャネルがフェロトーシスの新規実行因子であることを発見したと発表した。 メカノセンサー分子が、過酸化脂質の蓄積に伴って開口し、カリウム・ナトリウムイオンの流出入によってフェロトーシスを促進することを解明した。 フェロトーシスは分子によって制御される細胞死の1つだが、どのような仕組みで脂質過酸化が壊死を引き起こすのかは、謎だった。 これらのチャネル分子は、これまで実体が不明だった過酸化脂質の新たな標的であると考えられ、過酸化脂質の蓄積をメカニカルストレスとして感知して開口し、カリウムイオンの細胞外流出、ナトリウムイオンの細胞内流入を引き起こすことで、フェロトーシスを促進する。 本研究は、フェロトーシスの分子機構の全容解明の足掛かりとなる重要な知見として、今後新規創薬開発への貢献が期待される。同研究成果は、米国科学雑誌「Current Biology」(3月9日付)に掲載された。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press20230310_01web_cell.pdf |