2023年03月13日 |
東北医薬大、がん細胞の耐性抑制とその仕組み解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:広島大学 |
東北医科薬科大学と広島大学の研究グループは10日、糖転移酵素の1つ「 GnT-3 」によるがん細胞の薬剤耐性抑制とその仕組みを明らかにしたと発表した。 糖タンパク質に付加された糖鎖はその品質管理や機能調節など、生体内で重要な役割を果たしている。「GnT-3 」は、バイセクト糖鎖(bisecting GlcNAc)を含んだ N 型糖鎖を作成し、がんの増殖・転移・浸潤に関わることが知られている。 研究グループは今回、がん薬剤耐性に深く関わっている薬剤排出の輸送体である P-gp の発現調節に、糖鎖修飾がスイッチの機能として働く分子機序を解明した。 本研究は、がん化学療法の難題の一つである薬剤耐性の新な治療法開発につながることが期待される。本研究成果は、米国の科学雑誌「 JBC 」(2 月21日付)で公開された。 <用語の解説> ◆P-gp : P 糖タンパク質の略で ABC 輸送体(ATP-binding cassette transporters)の一種であり、細胞膜上に存在して薬物の体外への排出に関わっている。P-gp 以外にMDR1(Multiple drug resistance 1)や ABCB1(ATP-binding Cassette Sub-family B Member 1)とも呼ばれる。 |