2023年03月14日 |
東北大、ナノバブルでワサビの発芽率 3倍超達成 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学未来科学技術共同研究センターの高橋正好特任教授らの研究グループは14日、ナノバブルと呼ばれる小さな泡を使うことで難発芽性種子である本ワサビの大幅な発芽率向上に成功したと発表した。 研究グループは、耐久性に優れたコンクリートの開発や、作物と魚を同時に育てる水耕栽培アクアポニクスへのファインバブルの応用などを目的とした研究をオリエンタル白石(東京都江東区)と共同で進めてきた。その中でナノバブルを使い本ワサビの大幅な発芽率向上に成功した。 そのメカニズムとして、ナノバブルがカリウムイオンを種子の内部に能動的に運び入れる現象を発見した。その効率は非常に高く、水溶液中のカリウムイオン濃度が99%以上低下した。これに対してナノバブルが無い場合、同じ水質条件であってもカリウムイオンの濃度低下はわずか10%程度だった。 細胞レベルでのイオンの交換は生命現象の本質にかかわる重要な現象だが、小さな泡がナノレベルでの物質のやり取りに貢献できるという今回の発見は、生命現象を含めた様々な分野での実用展開に向けて新たな一歩になり得るといえる。 本研究の成果は2月27日にオンライン誌「Scientific Reports」に掲載された。 (詳細) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/03/press20230314-02-nano.html |