2023年03月16日 |
富士フィルム、創薬支援 CRO ビジネスへ本格参入 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:富士フイルム |
富士フイルムは16日、ライフサイエンス領域の事業成長を加速するため、創薬支援 CRO ビジネスに本格参入する。まず、4月1日付でビジネスの全体戦略を立案・推進する「CRO 事業推進室」を新設し、新たな医薬品のシーズ探索や有効性・安全性評価などのサービスを提供。製薬企業をはじめ顧客各社の創薬研究をサポートする。 医薬品市場はこのところ、化学合成で製造する低分子医薬品に加え、バイオ医薬品分野で新薬の研究開発が活発化、遺伝子・細胞治療薬などの開発も進んでいる。創薬の効率化を図るため、研究開発の初期段階から、高度な解析技術・ノウハウを有する CRO と協業するケースも増えている。創薬支援 CRO ビジネスのグローバル市場は年率約 10%と急成長している。 富士フィルムは、ライフサイエンス領域の全体戦略を推進する「ライフサイエンス戦略本部」の下に「CRO 事業推進室」を新設し、創薬支援 CRO ビジネスに本格参入することにした。同推進室でビジネスの全体戦略を立案し、バイオ関連技術の研究開発を行う「バイオサイエンス&エンジニアリング研究所」や、高度な創薬の知見を有する富士フイルム富山化学、強い販売網を持つ富士フイルム和光純薬などグループのリソースを結集する。 具体的には、iPS 細胞の大手であるFUJIFILM Cellular Dynamics ,Inc が開発・製造するヒト iPS 細胞由来分化細胞と、これまでに蓄積してきた AI(人工知能)技術を組み合わせて、医薬品候補物質の有効性・安全性評価及び作用機序解析のサービスを提供する。ヒト生体への作用を再現し高精度に評価・解析できるという特長を生かし、マウスなどを用いた動物実験を削減したいという顧客ニーズに応える。また、遺伝子治療薬などのサンプル作製や、同治療薬の分子構造の解析を受託、創薬コンサルティングなどのビジネスも推進していく方針だ。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1678951082.pdf |