2023年03月29日 |
東北大、多細胞型分子ロボット製造へ新手法開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院工学研究科ロボティクス専攻の野村慎一郎准教授らの研究グループは28日、人工的な多細胞体から分子ロボットを作るための新たな手法を開発したと発表した。 脂質をコーティングしたスポンジから直径約200 μmのミクロな液滴をしぼり出し、その液滴が水面で次々と集合・連結することで、全長3 cmほどの天然の多細胞組織の形状に似た多区画構造を作ることができる。 この手法では、実際の生体組織のように異なる区画を隣接させることも可能。また磁性ナノ粒子を含有させることで、構造体を外部から磁場により制御することもできる。この人工多細胞体の製造技術は、人工的にデザインした分子を使い、手に取ることのできるサイズの多細胞型ソフトロボットを構築する基礎となる。 今後、病気の治療や診断に役立つ分子ロボットの開発につながると期待できる。 同研究成果は、3月28日に表面科学分野の専門誌「Langmuir」に掲載された。 <用語の解説> ◆分子ロボット :センサ(感覚装置)、プロセッサ(計算機)、アクチュエータ(駆動装置)などのロボットを構成するデバイスが分子レベルで設計されており、それらを一つに統合することで構成される分子のシステム。 ◆ ソフトロボット: 柔らかい素材で作られたロボットで、自然界の生物に似た形態や動きを示し、人間や他の生物、環境への適応性の向上によって医療、災害救援、農業など幅広い分野で活躍が期待されている。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/03/press20230328-01-robot.html |