2023年03月29日 |
九大、絶滅危惧種のバラに新種のタマバチ 発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
サンショウバラは富士山や箱根周辺のみに分布する、世界でも希少なバラの1種だが、九州大学比較社会文化研究院の阿部芳久教授らの研究グループは29日、この植物だけに虫こぶを作るタマバチを新種として発表した。 本種の学名は、標本を採集した小川治夫氏の名前にちなみDiplolepis ogawai と名付けた。また、本種の和名はサンショウバラハタマバチとた。この植物は絶滅の危険が増しており、このまま減り続ければタマバチとその寄生蜂も連鎖的に絶滅する恐れがある。これを防ぐための環境保全が強く望まれる、としている。 阿部教授らは今回、新種のタマバチとその天敵である寄生蜂からなる昆虫群集が絶滅危惧種サンショウバラ上に存在することを、初めて明らかにした。この希少な植物が一次絶滅すれば、植食者であるタマバチが二次絶滅し、それに引き続きタマバチの天敵であるコマユバチとヒメコバチも三次絶滅してしまう。今回のように、絶滅危惧種の植物だけに依存する昆虫が見つかった場合、そのような昆虫たちも絶滅危惧種に指定して、注意喚起する必要があると考える。 同研究成果は米国昆虫学会の学術誌「Annals of the Entomological Society of America」の電子版に2023年3月27 日に掲載された。 ニュースリリース https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/901 |