2023年03月30日 |
京大、雨後のキノコの「電気的な会話」測定 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学 白眉センター、潮雅之特定准教授らの研究グループは、森林の地上から発生した外生菌根菌オオキツネタケのキノコ(子実体)に電極を設置し、電位変化の測定に成功したと発表した。地上に生えているキノコに電極を設置し、野外での電位変化の測定に初めて成功した。 その結果、キノコ間での電位の変動パターンに有意な因果関係が確認されたことから、キノコ間で電気シグナル伝達が起こっている可能性があることが示唆された。 野外の菌類におけるシグナル伝達の理解は、今後、森林における菌類の生態学的な役割の理解や制御を研究していく上で役立つと考えられる。菌根菌を介した植物個体間のシグナル伝達の研究に寄与する成果となる。 本研究成果は3月14日に、菌類生態学の国際誌「Fungal Ecology」のオンライン版に掲載された。 <用語の解説> ◆菌根菌 :植物の根に菌糸を侵入させ、菌根と呼ばれる共生体をつくる。土壌中から水や養分を集めて植物に供給し、植物は光合成産物である糖を菌根菌に提供する相利共生関係にあることが多い。 |