2023年04月04日
北大、直線状リン配位子の合成に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学 創成研究機構化学反応創成研究拠点の髙野秀明特任助教(現・名古屋大学)らの研究グループは3日、歪んだ環状炭化水素である[1.1.1]プロペランを原料として用いて、剛直な構造であるビシクロ[1.1.1]ペンタン骨格を有する直線状リン配位子の合成に成功したと発表した。

 [1.1.1]プロペランは、三つのシクロプロパン環が一つのC-C単結合を共有した構造を有する炭化水素であり、共有しているC-C単結合は電荷シフト結合を形成しているため反応性が高く、多様な官能基化が可能となる。
 
 研究グループは、[1.1.1]プロペランの新しい官能基化反応として可視光による励起を起点とするジホスフィン化反応を開発し、二つのリン原子がBCP骨格を介して同一直線上に位置する直線状ジホスフィン誘導体の合成に成功した。
 
 得られた新規直線状リン配位子を含む錯体は新しい物性を有することが期待できる。なお同研究成果は3月24日公開の「Angewandte Chemie International Edition」誌にオンライン掲載された。

(詳細)
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230403_pr.pdf