2023年04月10日 |
東北大、プレート沈み込み帯の移動痕跡発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院環境科学研究科の岡本敦教授らの国際研究グループは、過去に沈み込み帯の上盤を構成したマントルの岩石から、特徴的な反応帯を伴う鉱物脈のネットワークを発見したと発表した。沈み込むプレートの上盤に位置していたマントルの岩石を分析し、沈み込むプレートから上盤に供給された流体が亀裂を通って移動した痕跡を見つけた。 微量元素分析によりこの鉱物脈は、沈み込むプレートから供給された流体の痕跡であることを示した。さらに熱力学的解析及び物質移動モデリングにより、その流体活動の継続時間が非常に短期間(数カ月~数年)であり、流速が大きい(秒速0.1~1cm)ことを見出した。 今回研究で明らかにされた流体活動は、現在の沈み込み帯で観測されている微小地震の継続時間や震源の移動速度とも類似し、沈み込み帯における地震発生過程と流体活動との関連を示唆している。 本成果は、沈み込むプレートの上盤マントルで生じている流体活動を岩石学的アプローチから初めて解明したものであり、プレート境界地震のメカニズムの解明に貢献できると期待される。 同成果は、2023年4月6日、科学誌「Science Advances」に掲載された。 ◆反応帯 :亀裂の周囲に、流体により局所的な元素やイオンの移動と反応が起こり、母岩とは別の鉱物が形成した領域。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_0406press_02web_plate.pdf |