2023年04月14日 |
九大、ゲノム編集効率を100倍以上高める新技術 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
クリスパー・キャス9(CRISPR-Cas9)は、あらゆる細胞の標的ゲノムを自在に編集できる革新的な技術だが、九州大学 生体防御医学研究所の川又理樹助教らの研究グループは、ゲノム切断活性を自在に微調整できる新技術を開発し、編集効率を従来比数百倍オーダーで高めることができる次世代型ゲノム編集プラットフォームの開発に成功したと発表した。 研究グループは、ゲノム編集の結果を1つ1つの細胞で、細胞が生きた状態のまま簡単に判定できるAIMSを構築し、Cas9 酵素(DNA を切断)の活性を簡単、かつ、精密に制御できるガイドRNAを開発した。 これにより、多様なゲノム編集実験のそれぞれの目的に対応した最適なCas9 活性をシミュレーションできるようになり、最適なセイフガードgRNAを用いることで最も安全で効率的なゲノム編集を実施することが可能となる。 海外ではゲノム編集技術を用いた臨床試験で安全性の問題も報告されている。研究グループは今後、医療分野を中心に同技術の採用を拡げていきたいと、さらなる研究開発を進めていく方針だ。 本成果は、国際学術誌「Nature Biomedical Engineering」(4月11日付)オンライン版で公開された。 <用語の解説> ◆AIMS :Allele-specific Indel Monitor System の略。父母由来の両染?体(アレル)毎の標的ゲノム部位における indel の有無を 1 細胞レベルでリアルタイムに識別できる世界初の細胞計測システム。シークエンス解析を必要とせず、大規模データを迅速に得ることができる ニュースリリース参照 https://www.kyushu-u.ac.jp/f/52305/23_0411_01.pdf |