2023年04月17日 |
AGC、インドネシアの塩ビモノマー設備をDX化 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:AGC |
AGCは17日、化学品プラントのプロセスデジタルツインを開発し、アサヒマス・ケミカル社(インドネシア)の塩化ビニルモノマー(VCM)製造プラントに4月から運用開始したと発表した。 プロセスデジタルツインとは、実プラントの運転データをプラント情報管理システム(PIMS)経由でプロセスシミュレータにリアルタイムに取り込み、即時に高速計算することで、仮想空間上にプラントの現在の状態を再現するテクノロジーのこと。 これにより、従来取得できなかったデータや、リアルタイムに参照できなかったデータをAIやIOTによってシミュレーション上で推算し、運転状態や装置性能などをリアルに可視化することができるようになる。迅速な状況把握とデータに基づいた意思決定が可能となり、プラントの安定操業に寄与する。 今回、実プラントの再現度を高めるために以下の工夫を施した。 (1)最小ステップの反応である「素反応」まで考慮した厳密な反応モデルを組み込み、操業管理上の鍵となる副生成物の挙動まで再現 (2)「ダイナミックシミュレーション」を行うことで、プラントの安定した状態だけでなく、変化していく過程の状態も再現 (3)実データを基に汚れ等の影響による装置能力の経時的な変化を自動補正することにより、実プラント状態の再現性を向上 同社は化学品プラントにおけるDXを“見える化” “わかる化” “変わる化”の3ステップで推進してきた。これまでに“見える化”の取り組みとして、運転一括管理システム「CHOPIN(ショパン)」やプライベートLTEネットワークを導入してきた。 今回の取り組みは、”見える化”の次の段階として、プロセスデジタルツインでプラントの現状を解析し(わかる化)、高度なオペレーションを実現する(変わる化)ものとなる。今後、より多くのプラントへ展開することで、オペレーションの高度化による一層の安定操業を目指す。 <用語の解説> ◆素反応:化学反応を構成する最小ステップの反応。VCMを生成する反応は、ラジカルという不安定な化学種が関与する多数の素反応の組み合わせで表現される。 ◆ダイナミックシミュレーション :プラントの動的な変化を計算により再現すること。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1681700850.pdf |