2023年04月18日 |
三洋化成、ABS樹脂用抗ウイルス添加剤 開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:三洋化成 |
三洋化成工業は18日、ABS樹脂に高い抗ウイルス性を付与する抗ウイルス剤「BARRIATEC」を開発したと発表した。同剤を ABS 樹脂に練り込むことで、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を 99.75%以上、インフルエンザウイルスを 99.99%以上不活性化することを確認した。 同剤は高分子タイプの抗ウイルス剤で、樹脂に練り込むことで持続的な効果が期待できる。帯電防止性も付与することができるため、ホコリの付着を抑制し、プラスチックを清潔に保つことが可能となる。 今年秋にもサンプルワークを開始し、2025年には本格事業化の予定。国内の既存設備を転用するためコスト的負担は比較的軽いもよう。生産規模などは未定だが、将来的には年産100トンをめざす。 ABS 樹脂は「耐衝撃性」や「剛性」などの物性バランスに優れ、IT・家電や自動車部品、建材や日用品など、幅広い用途をもつ汎用性の高い樹脂だが、耐薬品性やアルコール性などに課題があった。だが今回、独自の界面活性剤技術や高分子合成技術による知見を生かして持続的な効果が期待できるABS樹脂用抗ウイルス剤を開発した。 ■「BARRIATEC」の主な特長 ・高い抗ウイルス効果を示す :新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対し 99.75%以上、インフルエンザウイルスに対し 99.99%以上が不活性化する。 ・抗ウイルス効果の持続が期待できる :高分子タイプのためブリードアウトせず、布や水などで拭いても抗ウイルス効果が持続することが期待できる。 ・ホコリの付着を抑制できる :帯電防止効果によりホコリを寄せ付けなくするので、ホコリに付着したウイルスの吸着を抑制し、プラスチックを清潔に保つことができる。 ・加工が容易 :ペレット状のためハンドリングが容易。成型時に基材樹脂に添加すると成形直後から抗ウイルス効果が発現する。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1681791064.pdf |