2023年04月18日 |
住化、天然物由来の植物成長調整剤、国内販売 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学は18日、有効成分アブシシン酸(一般名)を含有する天然物由来の植物成長調整剤「アブサップ液剤」の日本販売を開始したと発表した。同社がグローバル展開中のバイオラショナルの新製品の1つで、ブドウの着色不良問題に取り組む生産現場への新たな解決策となる。 アブシシン酸は、自然界に存在する植物ホルモンの一種で、ブドウにおいては色素成分であるアントシアニンの生成を促進し、果皮の着色を向上させる効果がある。 住友化学グループは、アブシシン酸を含有する製剤では、2009 年にチリで農薬登録を取得して以来、米国、南アフリカなど、10 カ国以上で登録取得しており、米国子会社のベーラント・バイオサイエンス社(米国イリノイ州)を中核拠点としてグローバルに開発・販売中だ。 近年、地球温暖化などの影響でブドウの着色不良が問題になっており、生産現場では、果実の品質を確保し、等級を上げるため、着色の向上が求められている。従来、日本では、主に環状剥皮により養分を枝葉に集中させる方法で果実の着色向上が行われてきたが、樹体を衰弱させるなどの問題があった。 「アブサップR液剤」は、巨峰・ピオーネという日本を代表する黒系ブドウ品種について農薬登録されており、果房へ直接散布するだけで、植物体にストレスを与えることなく効率的に果皮の着色を促進できる特長がある。同社は引き続きバイオラショナルの拡充に取り組んでいく方針だ。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1681791160.pdf |