2023年04月19日
東医歯大、小児突然死背景の希少疾患診断」成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京医科歯科大学

 東京医科歯科大学 法医学の鵜沼香奈准教授らの研究グループは18日、昭和大学、東京大学などとの共同研究で、分子剖検により新型コロナウイルスに関連した小児突然死の背景に、稀な LZTR1 遺伝子変異を有する Noonan 症候群があることをつきとめたと発表した。

 基礎疾患が指摘されていなかった 新型コロナウイルス感染症の未成年患者の剖検により、稀な冠動脈起始異常、小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病の合併症を有する Noonan 症候群が明らかになった。

 分子剖検により、LZTR1 遺伝子変異を有する Noonan 症候群患者であることを特定した。 LZTR1 遺伝子変異を有する Noonan 症候群の報告はこれまでも少なく、今回の報告がこの遺伝子変異を有するNoonan 症候群患者の病態解明の一助となることが期待される。

 今回報告は、突然死における分子剖検の意義を強調するものであり、剖検で全エクソームシークエンスを用いることにより、突然死の診断や予防などへの応用が期待できる。
 同研究成果は、国際科学誌「 Frontiers in Immunology 」(2023年4月18日)付オンライン版で発表された。