2023年05月16日 |
東北大、血球減少を伴う遺伝子疾患マウス作製 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院 医学系研究科の青木洋子教授(遺伝医療学)らの研究グループは16日、RUSAT(ルサット)と呼ばれる血小板減少症の患者で実際に同定されたMECOM(遺伝子の種類)変異を導入したマウスの作製に成功したと発表した。 RUSATは、骨髄で血液細胞が十分に作られなくなり出血が止まりづらくなったり貧血を生じたりするほか、前腕の二本の骨が癒合することで手をひねる動きが制限される症状を特徴とする希少な遺伝子疾患をいう。 作製したマウスでは前腕の骨の癒合は認められなかったが、加齢とともに血小板減少がみられ、造血幹細胞が減少しており、RUSATの骨髄での症状を再現した。 これによりRUSATの原因となるMECOM(EVI1)変異が個体で造血幹細胞の減少を来すことが世界で初めて確認された。作製したマウスは、血液を作る仕組みの解明に有用であり、ヒトでの治療法開発に繋がることが期待される。 本研究成果は、2023年4月26日に国際科学誌Blood Advances(電子版)に掲載された。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230516_01web_mecom.pdf |