2023年05月23日 |
東北大、トンガ沖海底火山噴火跡に電離圏の穴観測 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
名古屋大学宇宙地球環境研究所の新堀淳樹 特任助教らの研究グループは23日、全球測位衛星システム(GNSS) 、気象衛星ひまわり、ジオスペース探査衛星「あらせ」、電離圏観測機器などのデータ解析によって、南太平洋トンガ沖海底火山の大規模噴火に伴う同心円状の気圧波が引き起こした電離圏電子密度の不規則構造の観測に成功したと発表した。 南太平洋トンガ沖の海底火山噴火後に、同心円状の気圧波の到来に関連した電離圏の電子密度の不規則構造の観測に成功した。 観測データによって、通常よりも1~2桁程度、電子密度が急減する多数の電離圏の穴が日本上空で観測され、探査衛星「あらせ」の観測によってこの電離圏の穴は、2,000㎞の宇宙空間まで伸びていることをつかんだ。また、電離圏の穴の形成は、電離圏の高度上昇が原因であったことと、その高度上昇は火山噴火による気圧波の到来よりも約1-2時間も前に起こっていたことが明らかになった。 今回研究により、このような火山噴火に伴って発生した大気変動による電離圏の穴の生成機構を明らかにした。また、電波障害を起こす宇宙天気現象は、太陽フレアなどの太陽活動に起因することは広く知られているが、今回研究結果は、宇宙天気現象が大規模噴火等の地表の現象にも起因することを明示する重要な事例といえる。 同研究成果は5月22日付の総合国際学術雑誌「Scientific Reports」に掲載された。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/05/press20220523-01-volcano.html |