2023年06月12日
近大・富山大など、高血圧症の新規遺伝子発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:富山大学

 近畿大学、富山大学、東北大学、広島大学の研究グループは、ロンドン大学クイーンメアリー校を中心とする国際的多施設共同研究に参画し、高血圧症の一種である「原発性アルドステロン症」の新しい原因として、接着分子「cell adhesion molecule 1(CADM 1)の遺伝子変異を同定するとともに、この遺伝子が細胞間のコミュニケーションを支持することで、副腎皮質からの過剰なアルドステロン産生を抑制していることを明らかにしたと発表した。
 
 本研究成果は、接着分子がホルモン産生に強く関与することを明らかにした点で画期的であり、薬が効かない高血圧症の病態解明に新たな視点をもたらすと期待される。
 同論文は6月9日に、遺伝学に関する国際学術誌「Nature Genetics」にオンライン掲載された。
 
<用語の解説>
◆接着分子:細胞膜表面に存在するタンパク質で、隣り合う細胞間で同種、または異種のタンパク質と強く結合する特有の構造を有する。このタンパク質同士の結合により、隣接する細胞間の距離や物理的な強度が適切に維持される。
 
ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230609_01web_cadm1.pdf