2023年06月13日
岡山大と北大、緑色の光で壊れるリポソーム開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 岡山大学 薬学部の須藤雄気教授と北海道大学 薬学研究院の山田勇磨教授らの研究グループは12日、共同で光受容タンパク質であるロドプシンを利用して、緑色の光で壊れるリポソームを開発し、薬物送達に応用できることを明らかにしたと発表した。

 これらの研究成果は5月 23日、英国の総合化学雑誌「Chemical Communications」に掲載された。
体内への薬物送達では、狙った「時間・場所」に適切な「量」を効果部位に届けるため、ナノカプセル(リポソーム、ポリマーなど)が用いられる。ここで、ナノカプセルは効果部位以外では壊れず、効果部位ではその中身を放出するために壊れる必要性があり、「壊れずに壊れる」という「ジレンマ」を抱えている。
 
 今回開発した光誘起崩壊リポソーム(LiDL)は、光がなければ壊れず、光があたると壊れるものであり、光でこのジレンマを解決できる。研究グループは、このジレンマを解決しうる「光で壊れるリポソーム」を開発し、薬物送達に応用した。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230612_pr.pdf