2023年06月13日 |
京大・古賀教授「深海インスパイヤード化学」発表 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学 高分子化学専攻の古賀毅教授らの研究グループはこのほど、深海から得た発想を基に、化学者の創意工夫によって革新的な化学を生み出す「深海インスパイヤード化学」のコンセプトを発表した。 地球表面の約70%を占める海洋の利活用は、地球と共生する持続可能な社会を実現するカギとなる。従来のリニアエコノミー(線形経済)のパラダイムの下での海洋利用は「水産資源」や「エネルギー資源」といった「モノ」の利用が中心だった。 だが、持続可能なサーキュラーエコノミー(循環型経済)のパラダイムの下では、単なる「モノ」の利用の枠を超えた海の利用が求められる。 「深海インスパイヤード化学」は、深海極限環境下でのユニークな物理化学プロセスや生物が深海に適応する過程で獲得した固有の生存戦略を活用した深海利用の知識経済化の提案であり、カーボンニュートラル実現に向けたソリューション開発への貢献が期待される。 論文はアメリカ化学会発行の学術誌「Langmuir」(23年6月2日付)にオンライン掲載された。 また「深海インスパイヤード化学」のコンセプトを表現したイラストが掲載号の表紙に選ばれた。 |