2023年06月14日 |
積水化とミタル、カーボンリサイクル前倒し達成 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:積水化学工業 |
積水化学工業は14日、オランダに本社を置く鉄鋼の世界大手、アルセロール・ミタルと、製鉄の際に排出される CO2 を回収し再利用するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクト事業を1年前倒しで達成したと発表した。 積水化学はNEDOの委託を受け、2021年3月から3年間の予定で「鉄鋼プロセスに活用する CCU 技術の国際共同研究開発」に取り組んできた。 このほど、アルセロール・ミタルのスペイン・アストゥリアス工場での実ガスを用いた試験で、研究項目の1つである「積水化学独自ケミカルルーピング技術による合成ガス製造基盤技術の開発」で、最終目標にしていた「CO2転化率 85%以上および水素転化率 60%以上」を大幅に上回る、「CO2転化率 90%および水素転化率 75%」を達成した 今後、さらに高性能な触媒に入替え、12 月までに現状よりも高い反応収率で長期試験を行う。また、並行してスケールアップ実証に向けた新規プロジェクトの検討を進めていく方針だ。 製鉄における CO2排出量は世界の CO2排出量の7~9%を占めている。中でも鉄鉱石から銑鉄を作る高炉プロセスが鉄鋼業の CO2排出量の約7 割を占めており、高炉プロセスにおける CO2排出量の削減が鉄鋼業の大きな課題となっている。 本プロジェクトは、高炉ガスから CO2 を分離・回収し、化学プロセスにより一酸化炭素および水素からなる合成ガスに変換した後、コークスを代替する還元剤として高炉に導入する鉄鋼プロセス (CCU 炭素循環鉄鋼プロセス)により、CO2の有効利用およびCO2削減に貢献する技術を実証する。 ◆アルセロール・ミッタル(ArcelorMittal, S.A.) :、2006年にオランダのミッタル・スチールとルクセンブルクのアルセロールの経営統合によって誕生した世界最大級の鉄鋼メーカー。年間粗鋼生産量で世界第2位 。本社をルクセンブルクに置く。 (参考) ▽積水化学と ArcelorMittal のカーボン・リサイクルに関する提携について(2021年7月20日) https://www.sekisui.co.jp/news/2021/1364769_37322.htm ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1686716071.pdf |