2023年06月16日 |
九大、内皮ー造血転換の新規メカニズムを解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
造血幹細胞とは、胚発生期に血管内皮細胞群の一部が分化転換することによって生み出される。この現象は「内皮ー造血転換」と呼ばれる。 九州大学大学院医学研究院の佐藤有紀准教授らの研究グループはこのほど、水チャネル分子アクアポリン(AQP)を介した水分子の流入が内皮細胞内の液胞形成を促進し、その結果、細胞の球状化が生じることを明らかにしたと発表した。この発見により、内皮ー造血転換の際の細胞形態制御メカニズムが初めて解明された。 血管内皮細胞から造血幹細胞を生み出すしくみの一端が明らかになった。 液胞形成の役割は植物細胞でよく知られているが、動物細胞での役割はあまり知られていない。今回の研究によって、動物細胞において液胞が細胞の分化転換現象に関わることが判明した。 今後、この液胞の機能を詳細に解析することで、従来とは異なる角度からの内皮ー造血転換現象の理解が進むことが期待される。 同研究成果は国際学術誌「 Development 」に2023年6月5日に掲載された。 ニュースリリース https://www.kyushu-u.ac.jp/f/53188/23_0615_02.pdf |