2023年06月20日
伊藤忠、カタールで衛星使いオイル漏れ検知
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:伊藤忠商事

 伊藤忠商事は20日、通信衛星事業を手掛けるスカパーJSAT(本社:東京都港区、米倉英一社長)と、カタール環境省(MECC)にSAR 衛星画像を用いた海上オイル漏れ検知サービスの提供を開始したと発表した。

 石油タンカーによるオイル流出事故は1970年代以降、約2,000件報告されている。特にカタール沖など多国籍船舶が多く航行するペルシャ湾沿岸では、オイル流出対応策が課題となっており、船舶から漏れ出したオイルを沿岸部への着岸前に検知し対処することが重要となっている。

 伊藤忠およびスカパーJSATは今回、共同で衛星データを活用しオイル漏れ検知サービスを実施することになった。様々な衛星を組み合わせて幅広い海域の観測を行う。今回は初事例となるが、今後は同様の需要がある海域の国や企業でも利用できるように展開していく方針だ。沿岸部の海水淡水化施設や発電所などの重要施設をオイル漏れによる被害から防ぎ、海洋環境を保護していきたいとしている。

<用語の解説>
◆SAR :合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar)の略。地表にマイクロ波を照射し、反射して返ってきた信号を分析することで地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜や天候に関係なく地表の状況を把握できるなどの特長を有している。