2023年06月23日 |
高知工大など、熱流による準安定状態を実証 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
過冷却・過加熱状態は、温度が一様の環境ではやがて消えてしまう状態として知られているが、高知工科大学の小林未知数准教授、茨城大学の中川尚子教授、京都大学の佐々真一教授ら研究グループは22日、熱流下の相共存状態に対する精緻な数値計算により、これらの不安定な状態が安定に存在し続けられることを実証したと発表した。 この結果は、熱流の影響を受ける物質の性質を取り扱う「大域熱力学」を検証する最初の例にあたり、物質の性質を熱の流れで制御する方法の開拓につながると期待される。 同研究成果は6月16日に国際学術誌「Physical Review Letters」に掲載され、Editors' suggestion に選ばれた。 <用語の解説> ◆相共存状態 : 同じ物質の異なる相が共存している状態。1気圧0℃での水と氷、1気圧100℃での水と水蒸気が同時に存在している状態を例としてあげることができる。 ◆大域熱力学 : 空間的に不均一な非平衡状態に対して、大域的に定義された量を用いて熱力学形式を非平衡に拡張する枠組み。熱流下での相共存状態を記述できる。 (詳細) https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2023-06/Sasa_PhysicalReviewLetters_2306-fcfdd9cd3ed7ca2e31015f4a86e74f15.pdf |