2023年06月27日

AGC、燃料アンモニア利用 ガラス製造実証に成功

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：AGC

AGCは27日、NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）委託事業の「燃料アンモニア利用・生産技術開発」で、世界初となるアンモニアを燃料にしたガラス製造の実生産炉での実証試験に成功したと発表した。 　同開発には、大陽日酸、産業技術総合研究所、東北大学と共同で取り組んでいるもので、今回はAGC横浜テクニカルセンターの建築用ガラスを製造するガラス溶解炉で、大陽日酸が開発した、低NOx燃焼技術を実装したアンモニア-酸素バーナーを使用してアンモニア燃焼技術の実機試験を行い、ガラスの品質や炉材への影響、火炎温度、炉内温度、窒素酸化物（NOx）排出量の抑制効果などを検証した。 　今後はさまざまな条件下で実証試験を行い、よりスケールアップしたバーナー試験とAGCの他拠点での実証試験を行う計画。これにより、アンモニア燃焼技術の活用範囲を見極めた上でガラス溶解炉への本格導入を目指す。さらに将来はガラスのみならず、鉄鋼やアルミなど、他の素材への展開も検討し、広く素材産業の製造工程における温室効果ガスの排出量削減に貢献していきたい考えだ。 　今回実証では、AGC横浜テクニカルセンターの建築用ガラスを製造するガラス溶解炉（実生産炉）に、大陽日酸が開発した、多段燃焼により火炎温度の急激な上昇を防ぐバーナーを1対導入し、アンモニアを燃料として利用した世界初となる実証試験を2023年6月18～19日の2日間実施した。 　実証試験では、さまざまな条件において従来の重油を燃料に用いた燃焼方法と比較し、ガラスの品質や炉材への影響、火炎温度、炉内温度、NOx排出量の抑制効果などを検証した。今回の試験では、ガラス溶解炉の必要温度を維持しつつ、排ガスに含まれるNOｘ濃度が環境基準値を下回る結果が得られた。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1687838543.pdf