2023年06月28日 |
三菱ケミカル、濃縮バイオ液肥 福岡で事業化へ |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:三菱ケミカルグループ |
三菱ケミカルグループは28日、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS、本社:東京都中央区)が、(公財)福岡県リサイクル総合研究事業化センター(リ総研)の支援を受けて、九州大学、福岡県築上町などとの共同研究プロジェクトを完了し、濃縮バイオ液肥製造プロセスを事業化することをお知らせします。産学官で連携した本研究の成果を、2023 年 7 月 6 日に福岡県北九州市で開催される「エコテクノ 2023」で発表する予定です。 福岡県築上町は、し尿や浄化槽汚泥を液状の肥料(液肥)にする循環型農業に取り組んでおり、すでに水稲や麦などの栽培に使用している。浄化処理して河川などに流す代わりに液肥にすることで、排水処理費用の削減と資源循環を実現している。 今回のリ総研共同研究プロジェクトでは、築上町が新たに築上町有機液肥製造施設内に建設した全国初の液肥濃縮施設で、濃縮技術の向上に取り組んだ。その結果、膜分離による懸濁物質の除去と電気透析を行うことで、肥料の主要成分である窒素およびカリウムを通常の液肥に比べて約 20 倍に濃縮することに成功した。 濃縮により、肥料成分を農作物に与える濃度が調整できるようになり、化学肥料を使用した場合と遜色ない生育を確認した。さらに、液肥の輸送コストや保管スペースが削減できる。水稲や麦などの大規模土地利用型農業だけでなく、これまで未利用だった施設園芸や家庭菜園での利用も可能となった。 ■「濃縮バイオ液肥製造事業化プロジェクト」: し尿・浄化槽汚泥を原料とする液肥の濃縮を行い、農業利用できる濃縮バイオ液肥の製造を行うことを事業化するプロジェクト。濃縮バイオ液肥は、農林水産省「みどりの食料システム戦略」(2021 年 5 月)で 2050 年までの目標とされている化学肥料の低減等の取り組みに貢献する技術であり、循環型農業の普及・促進をめざしている。 ▽研究期間:2020 年 4 月~2023 年 2 月(3 年間) ▽メンバー:MCAS(研究代表者)、九州大学、静岡県立大学・福岡県築上町・福岡県みやま市 ▽実施場所:福岡県築上郡築上町(ちくじょうまち) ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1687931381.pdf |