2023年06月30日

旭化成、NEDOスマートセルプロジェクト成果達成

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：旭化成ファーマ

旭化成ファーマは30日、産総研と共同で体外診断用医薬品の原料となる酵素コレステロールエステラーゼの生産効率向上に取り組んできたが、このほど、同研究成果として製品化（製品名：CEN 2）を実現し、同日から販売開始した。NEDOのスマートセルプロジェクトの一環。 　このスマートセルは、コレステロールエステラーゼの分泌生産量を野生株の30倍以上に向上し、従来の育種法ではできなかった高生産型スマートセルの構築を初めて実現した。 　旭化成ファーマとNEDO、産総研は、生物細胞が持つ物質生産能力を人工的に最大限まで引き出し、最適化した細胞（スマートセル）を使用し、省エネルギー・低コストで高機能な化学品などを生産するスマートセルプロジェクトに取り組んできた。2016～18年度（委託事業）、2019～20年度（助成事業）を通して、血中コレステロール濃度を測定する体外診断用医薬品の原料酵素、コレステロールエステラーゼの生産効率向上研究に注力してきた。 　この結果、2021年にコレステロールエステラーゼを生産する微生物バークホルデリア・スタビリスのスマートセル構築に成功した。これにより、従来の育種法では野生株の約2.8倍までしか上昇できなかったコレステロールエステラーゼの分泌量を、世界初となる野生株の30倍以上に向上させることができた。低コストで高い生産効率が可能となった。電力消費量の低減でCO2排出量も年間約23トンの削減が期待できる。