2023年06月30日 |
九大など調査、東南アジアのアリ類 1200万年出現 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
東南アジア地域には多くのアリ類が生息しているが、いつ頃どの地域を起源地として多様化していったかはほとんど知られていない。 九州大学 熱帯農学研究センターの細石真吾助教、鹿児島大学の山根正気名誉教授らの研究グループは29日、東南アジアの熱帯雨林にみられるフクラミシリアゲアリ種群の分子系統解析を行い、系統関係を明らかにしたと発表した。 DNA 情報と化石情報を用いた解析から同種群が中新世の約1200万年前に出現し、生物地理学的解析からマレー半島周辺を起源地とし、陸地への分散や海の障壁による分断によって新たな種が分岐したことが示唆された。 クラ地峡やマカッサル海峡が種分化に重要な役割を果たしたと思われる。祖先的なグループは通常の胸部を有していて、その一部が膨らんだり刺状の突起が退化するなどの形態進化が起こったと考えられる。 熱帯アジア地域は多くの生物種が生息しているが、分類学的研究が遅れているために未だ発見されていない未記載種が数多く存在している。今回の発見のように様々なグループで起源地となった地域が推定され、種分化様式が明らかになることによって、生物多様性の解明と保全に重要な具体的な地域が明らかになっていくと思われる。 同研究成果は英国の国際学術誌「Zoological Journal of the Linnean Society」に2023年6月14日オンライン掲載された。 ニュースリリース https://www.kyushu-u.ac.jp/f/53302/23_0629_02.pdf |