2023年07月06日
東北大「歯の喪失/アルツハイマー病リスク高い」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学病院 口腔機能回復科の山口哲史講師らの研究グループは6日、分析疫学の手法の1つであるコホート研究によって、歯数や歯周病と4年間の海馬の萎縮速度との関連を解析した。その結果、軽度の歯周病では歯が少ないほど、また重度の歯周病では歯が多いほど、左海馬の萎縮が速いことが明らかになったと発表した。

 歯の喪失や歯周病がアルツハイマー病のリスクを高める可能性は指摘されてきたが、歯周病の歯を残すことと歯を失うことのどちらがアルツハイマー病の初期に生じる海馬の萎縮と関連するかは不明だった。

 今回の研究結果は、単に歯を多く残すだけでなく、健康な歯を残すことが重要であることを示した。
 45歳以上の過半数が歯周病を有している日本で、重度の歯周病の歯を残すことが海馬の萎縮を速めるという本研究の結果は、認知症予防の考え方に大きな影響を与える可能性がある。今後、より大規模な研究によって検証を進める必要があるとしている。
 本研究成果は7月5日の米国神経学会学会誌「 Neurology 」(オンライン版)に掲載された。

(詳細)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230706_03web_dental.pdf