2023年07月07日 |
北大、化学反応創成プラットフォーム「SCAN」開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学大学院 理学研究院の髙橋啓介教授らの研究グループは、化学反応経路の幅広い活用と社会への普及を目途に、人工力誘起反応法(AFIR法)から生み出された化学反応経路データを、ウェブ上でクリックのみで検索できるプラットフォーム「Searching Chemical Actions and Networks(SCAN)」を開発したと発表した。高度なインフォマティクス手法をプログラミングなしで実行可能にした。 研究グループはこれまで、AFIR法は量子化学計算に基づいて、複雑な化学反応経路を描写してきた。しかし得られた化学反応経路は複雑で、解析には高度な専門知識と高度なプログラミング技術が必要だった。また、計算された化学反応経路データを蓄積・共有するデータセンターが存在しないことも、幅広い活用への大きな障壁となっていた。 そこで新たに、生データを保存する「データレイク」、データ前処理した「データハウス」、データを応用・展開する「データマート」の3層構造からなる反応経路データベースのプラットフォーム「SCAN」を設計した。 SCANでは化学反応経路データを検索・可視化することが可能となる。また、高度なインフォマティクス手法もプログラミングを一切必要とせず、マウスのクリックのみで実行することを可能にした。 SCANの普及により、量子化学計算とインフォマティクスが連動した次世代の化学反応設計が加速すると期待される。 同研究成果は7月5日公開の王立化学会「Digital Discovery」誌でオンライン公開された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/2023/07/scan.html |