2023年07月13日
大阪公立大、がん細胞の効率的な検出に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
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 大阪公立大学理学部の飯田琢也教授らの研究チームは12日、がん細胞由来のナノ粒子である細胞外小胞(エクソソーム、エクトソームなど)と抗体修飾ビーズの反応をレーザー光照射下で生じる光の力で加速し、得られた集積体の立体構造を共焦点光学システムを利用して解析したと発表した。
 
 その結果、わずか500ナノリットルのサンプル中に含まれる約1000個~1万個のナノサイズ細胞外小胞(従来法の4000分の1に相当)を5分以内に計測できることを実証した。従来法では数時間が必要だった。

 今回の研究では、大腸がん細胞と肺がん細胞から分泌されたナノサイズ細胞外小胞を計測し、数時間の複雑な工程を要する超遠心分離工程を省略できる可能性も示した。この成果は、がんを含むさまざまな疾病のマーカーとして期待されている細胞外小胞のハイスループット計測につながるもので、超早期診断における全く新しい基盤技術を提供するものとなる。
 同研究成果は2023年7月12日付「Nanoscale Horizons」オンラインに掲載された。