2023年07月14日
東北大、日本の巻貝 鳥に乗り4000キロ先から飛来
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:科学技術振興機構、東北大学

 「日本に飛来した渡り鳥の体表に付着していた巻貝の由来が、遠く4000キロ離れたオセアニア周辺であることが分かった」と、東北大学大学院 生命科学研究科の千葉聡教授らの研究チームが12日発表した。我孫子市鳥の博物館と共同でつかんだ。 

 移動能力の低い生物はどのようにして分布を広げているのか、の移動メカニズムについては様々な推測がなされてきた。 東北大学の研究グループは、春に日本に飛来した渡り鳥オオジシギの体表に付着した巻貝を発見し、これを形態と分子系統学の観点から詳細に検討した。
 
 その結果、オオシギに付着していた巻貝は、オセアニアからフィリピンにかけて分布し、日本では記録のない淡水巻貝Glyptophysa属の種であることが明らかとなった。
 
 オオジシギは、春にオセアニアから日本に直接渡ってくることが知られており、これらの事実から、今回見つかったGlyptophysa属の貝類はオセアニアからオオジシギに付着して4000kmにわたって輸送された可能性が強く示唆された。
 
 本研究成果は、移動能力の低い生物の長距離移動を可能にする要因として鳥類が重要であることを示す決定的な証拠となった。
 本成果は7月11日、生態学の専門誌「Ecography」に掲載された。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230712_02web_bird.pdf