2023年09月04日

住友化学、昆虫フェロモン進出、インド企業を買収

【カテゴリー】：経営 【関連企業・団体】：住友化学

住友化学は4日、昆虫フェロモンを活用した害虫防除分野に新規参入するため、連結子会社の住友化学インド社を通じて、インドに本社を置くBarrix Agro Sciences 社（Barrix 社）を買収すると発表した。昆虫フェロモンは環境負荷が低く、今後の成長分野の一つとみられている。 　Barrix 社は、農業および生活環境分野において、昆虫フェロモンを活用した資材や粘着シートを展開する企業として2011 年にインドで創業した。同社は、昆虫同士が情報伝達する際に発するフェロモンを人工的に合成し、害虫を誘引して捕殺するトラップ資材など幅広いフェロモン資材を販売している。 　 　昆虫フェロモン資材は、ターゲット外の生物や人体への悪影響が少ない上、従来の殺虫剤に比べて抵抗性が生じにくいなどの特長を有している。フェロモン資材のインドの市場規模は、27 年度には22 年度比倍増となる予測もあり、着実な成長が期待されている。 　インドは世界有数の農業大国。人口も今年は世界一となる見込みで、食料需要は引き続き増加し、農地当たり収量の拡大が課題になっている。住友化学は、2000年に住友化学インド社を設立し、家庭用防疫薬、農薬の販売拠点として事業を拡大してきた。現在は製造および研究開発機能を持ち、化学農薬からバイオラショナル、生活環境資材までの幅広い製品ラインナップを有し、同国内や周辺国への輸出市場に強固なプレゼンスを築いてきた。 　今回の買収を通じてインド事業の一層の拡充を図る。同社のグローバルな販売網を活用することで、さらなる展開加速を図る。加えて、米国子会社のベーラント・バイオサイエンス社など、グループ各社の技術を組み合わせることで、新たなソリューションの研究・開発を進めていく方針だ。 ＜ニュースリリース参照＞ https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1693804414.pdf