2023年09月07日
京大「幼児期の感情制御 腸内細菌叢と関係」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 自己の欲求などをコントロールする感情制御は、前頭前野の急激な発達によって幼児期に発達するが、この時期の感情制御には大きな個人差がみられ、その要因などは不明なままだ。最近、「脳―腸―腸内細菌叢相関」という双方的な関連から中枢神経機能をとらえる研究が注目を集め、成人を対象とした研究では、腸内細菌叢は身体の健康のみならず、こころの健康(不安やうつ)にも関連することが示されているが、乳幼児を対象とした研究はほとんど行われてこなかった。

 京都大学 教育学研究科の明和政子教授らの共同研究グループは6日、3~4歳の日本人幼児257人を対象に、感情制御を含むいくつかの種類の認知機能が、腸内細菌叢や食習慣とどのように関連するかを調査した結果、この時期の感情制御の困難さには、炎症との関連が指摘される菌叢が関連していることが明らかになったと発表した。また、感情制御の発達リスクは、緑黄色野菜の摂取頻度の低さや偏食(限定的な食事の好み)とも関連することがわかった
 同研究成果は9月6日付の国際学術誌「Microorganisms」にオンライン掲載された。
 
(詳細)
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2023-09/2309_Myowa_Microorganisms_relj-d6cef88b6148a1c9fc16f001f44951c6.pdf