2023年09月19日 |
熊本大、植物の細胞と器官/理論モデル構築 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:熊本大学 |
熊本大学大学院 先端科学研究部の檜垣匠教授らの研究グループは19日、植物の子葉の表面の大部分を構成する表皮細胞の形の異常によって子葉器官の団扇型の形づくりが損なわれることを見出したと発表した。植物の細胞と器官の関係を探る理論モデルを構築した。 またさらに、九州大学大学院 医学研究院の今村寿子助教と共同で、細胞と細胞集団の形に関する理論モデルを構築した。この理論モデルに基づくコンピュータシミュレーションによって実際の植物で観察された現象が再現され、理論モデルの妥当性が認められた。 多くの双子葉植物の葉の表皮細胞は、成長に伴いジグソーパズル型の特徴的な形態へと変化する。この細胞変形の過程を制御する遺伝子や細胞内の構造体の研究はこれまでも精力的に進められ、分子レベルの制御機構が明らかになっている。だが、その特徴的な細胞形状の生理学的な意義については不明な点が多かった。 今回の研究成果は、細胞がジグソーパズル型へ変形する生物学的意義のひとつとして器官レベルの形づくりへの貢献があることを示した。 本研究成果は2023年9月18日付科学雑誌「Plant and Cell Physiology」オンライン版に掲載された。 <用語の解説> ◆子葉:植物個体で最初に形成される葉のこと。種子の中にある胚において既に形成されている。双子葉植物では双葉とも呼ばれる。 (詳細) https://www.kyushu-u.ac.jp/f/54394/23_0919_02.pdf |