2023年09月20日 |
東大など「WHO監視下のウイルス変異株」つかむ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤佳教授による研究コンソーシアムは19日、WHO により「監視下の変異株(variants under monitoring, VUM)」に分類されている新型コロナウイルス「オミクロン BA.2.86 株」の流行動態や免疫抵抗性等の特徴を明らかにしたと発表した。 まず、統計モデリング解析により、オミクロン BA.2.86 株の実効再生産数は、現在の流行株のひとつであるオミクロン XBB.1.5 株に比べておよそ 1.3 倍高いことを見出した。 また、オミクロン BA.2.86 株は、ワクチン接種やオミクロン XBB ブレイクスルー感染によって誘導される中和抗体、および治療用抗体医薬に対して極めて強い抵抗性を示すことが分かった。 同研究成果は2023年9月18日、英国科学雑誌「The Lancet Infectious Diseases」オンライン版で公開された。 <用語の解説> ◆実効再生産数 :特定の状況下において、1人の感染者が生み出す二次感染者数の平均。ここでは、変異株間の流行拡大能力の比較の指標として用いている。 ◆中和抗体 :獲得免疫応答のひとつ。B 細胞によって産生される抗体で SARS-CoV-2 のスパイクタンパク質を中和する作用がある。 (詳細) https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2023-file/release230919.pdf |