2023年09月21日 |
京大、細胞の中のものを「推す」方法を開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学 白眉センターの中村秀樹 特定准教授らは21日、生きた細胞内部の構造体に力をかけて「押す」ツール「Actu Ator(アクチュエーター)」を開発したと発表した。細胞が外からの力に応答することは知られていたが、細胞の中で働く力の役割は不明だった。 従来の技術は、細胞表面に力をかけることはできても、細胞内部の標的には適用できないという問題があり、生きた細胞内部の標的に力をかける技術が求められていた。同グループは今回、細胞に侵入し細胞内の力発生装置に「押してもらう」ことで動き回るバクテリアをヒントにActu Atorを開発した。 同技術は、細胞内の力発生装置であるアクチンに標的を「押してもらう」ことで働く。力をかける場所やタイミングは、薬剤や光で自由に操作できる。 今回研究では、Actu Atorが細胞内部のさまざまな構造体を変形・運動させることを示し、ミトコンドリアの形態そのものはその機能に大きく影響しないことを明らかにした。今後の細胞内の動的構造体の機能解明や、神経変性疾患の理解・治療につながると期待できる。 同成果は、2023年9月20日に米国の国際学術誌「Cell Reports」にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.jst.go.jp/pr/announce/20230921/pdf/20230921.pdf |