2023年09月22日 |
北大、北極海の動物プランクトンの生態解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学大学院 水産科学研究院の松野孝平助教らの研究グループは21日、北極海の動物プランクトン優先権の生態が明らかになったと発表した。この中で大型カイアシ類カラヌス・グラシアリスが地理的な環境変化じ応じて体長、個体構造、整腸速度および摂餌速度を変化させていることをつかんだ。 ベーリング海から北極海の陸棚域に広く生息する大型カイアシ類カラヌス・グラシアリスは、魚類、海鳥、鯨類の重要な餌となる。これまでの研究で、本種の寿命は1~3年と幅があり、環境や海域により変化することが報告されている。だが、近年の気候変動による環境変化どのように適応しているかの理解は十分でなかった。 研究グループは2019年秋に、太平洋側北極海の陸棚域から海盆域に及ぶ広い海域でカラヌス・グラシアリスの生態調査を行い、貧栄養塩な環境下では渦鞭毛藻類を多く摂餌していること、近年の海氷融解早期化により産卵期間が長期化している可能性や、同じ海域の同じ発育段階内にあっても活発に摂餌を行うことを明らかにした。 本研究の成果は、急激に環境変化している北極海において、本種がフレキシブルに適応する能力を持っていることを示しており、北極海海洋生態系の将来予測の精度向上に貢献する知見となる。 同研究成果は9月20日公開の「Frontiers in Marine Science」誌にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230921_pr.pdf |