2023年09月25日 |
東北大、脳疾患を鑑別/血中バイオマーカー発見 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東北大学 |
高齢化社会を迎えて、認知症やアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)など、加齢に関連した脳疾患が増えているが、これらの疾患の早期治療と発症前予防を行うためには、バイオ―マーカーによる予測や診断が非常に重要となる。 微量採血で済む血液バイオマーカーの利用は、脳脊髄液の採取による患者の負担や放射線被曝をともなうPET検査に比べて安全、簡便であり、コストパフォーマンスが高いなどの利点がある。 東北大学大学院 薬学研究科の川畑 伊知郎 特任准教授らの研究グループは25日、脂肪酸結合タンパク質(FABPs)がレビー小体病のバイオマーカーとして機能する可能性を調査したと発表した。 その結果、AD、PD、DLB、軽度認知障害(MCI)の患者と健康な対照群で血液中のFABPsレベルを測定した結果、FABPsがレビー小体病の潜在的な新たなバイオマーカーとして機能し、早期の疾患検出と他の加齢に関連する脳疾患との識別に役立つ可能性があることを確認した。また、血漿バイオマーカーを用いた疾患識別のための新たな定量化技術を確立し、各疾患を高い精度で鑑別することを可能にした。 この研究成果により、アルツハイマー病やレビー小体型認知症等の認知症やパーキンソン病を発症前に予測することが可能となり、早期治療介入による発症前の根本治療が期待される。 本研究成果は8月26日に「International Journal of Molecular Sciences」に掲載された。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0925_03web_ad.pdf |